生理学の基本の基
神経伝達の際に、カルシウムイオンの流入、神経伝達物質の放出、、、、などなどさまざまな現象が起こりますが、今までの人生で「あれ?どの順番だっけ?」と迷ったことはありませんか??
そんな方々のために今回は、めちゃくちゃ重要だが、いつも「あれ?どういう順番だっけ?」と忘れがちな、シナプスにおける伝達の概略について話していきたいとおもいます。
ニューロンの構成
上図はニューロンの構造の模式図です。
ここから見てわかるように、ニューロンは主にこの4つの構成からなっています。
樹状突起と細胞体は他のニューロン細胞からの信号を受け取る部分で、
軸索はその信号を活動電位として遠くに運ぶ、いわば導線のようなもので、
神経終末は他のニューロンの樹状突起に活動電位を伝える部分になります。
信号を伝える仕組み
ここからが本題です。
上記した導線(軸索)を通ってきた活動電位はどうやって隣のニューロンの樹状突起に伝わるのでしょうか?
放電して隣の細胞に電気がいくと思っていたら間違えです。
(もしそうであるなら、ピカチュウの10万ボルトをくらったサトシの神経細胞は大変なことになってますよね🤔)
話は戻しまして、哺乳類のシナプスはほとんどが伝達物質の放出や、受容体の結合という化学的なプロセスによって、細胞間で連絡を取り合っています。このような仕組みを化学シナプスと言います。
シナプス伝達の順序は
- 活動電位がシナプス終末に伝達される
- 電位依存性カルシウムチャネルが開く
- カルシウムイオンの流入
- シナプス小胞がシナプス前膜と融合
- 神経伝達物質の放出
- 神経伝達物質の受容体共役型ナトリウムチャネルが開く
- ナトリウムイオンの流入
- 膜電位の発生
となっています。
では、このような順序になることを暗記しましょう。
暗記がなかなかできない方は、下に述べる覚え方で覚えましょう。
まず、活動電位が届かないことには何も始まらないので、最初に神経終末に活動電位が届いたことが刺激になることはイメージできますね。
次に、カルシウムイオンの流入があることを忘れてしまう人がよくいます。
これのイメージとしては、カルシウムイオンは変態・シナプス小胞はかわいい女の子とイメージしましょう。そうするとカルシウムイオンは神経終末という建物に入った時に、かわいいシナプス小胞を発見し、気持ち悪いように追いかけます。すると当然シナプス小胞は建物の外に逃げようとして、シナプス前膜と融合をするのです。
このようなしょうもなくつまらないことを読んでくれたあなたは、おそらくカルシウムイオンの存在を忘れません。笑
あとは簡単ですね。最後にそのシナプス小胞が神経伝達物質を放出することで、神経伝達物質の受容体共役型ナトリウムチャネルが開き、ナトリウムイオンが細胞内に流入し、膜電位が発生し、次のシナプスで活動電位が発生するという仕組みです。
シナプス伝達の順序は覚えられましたか?
これは医学部編入ではもちろん、大学院入試レベルの問題でも知っていないといけない知識なのでしっかり覚えてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。